保健体育
はじめに〜身体を動かす楽しさを知る
一昔前は、「遊び」といえば、空き地で野球、サッカー、キャッチボール、缶けり、鬼ごっこ、ザリガニ釣り。または、子どもたち同士でルールを考え、新しい遊びを開発したりしました。身体を動かすことの楽しさはもちろん、コミュニケーションのとりかた、集団行動、生きるための知恵や工夫を「遊び」を通じて自然に体得する機会が多くありました。しかし、今日の「遊び」といえば、テレビゲームが中心でしょうか。グラウンドにいようが携帯用のゲームをしている姿もみかけます。時代とともに、「遊び」=「運動」という概念が子たちのなかから少なくなっているような気がします。
中高時代の運動は、身体の発育発達に良い影響を与えることは言うまでもなく、豊かな人間性、社会性を形成してくれます。「身体を動かすことは楽しい」と子どもたちが思ってくれるように、本校の保健体育科では、様々な種目に取り組み、運動に関する知識を深め、時には「遊び」を交えながら、生涯スポーツの基礎となるように指導していきます。
授業について〜「好き」から「自信」へ
中学高校の一貫教育を念頭に置き、発展的または系統的に計画し、授業内容を工夫しています。各種目とも各学年での到達目標を設定しています。生徒の目標達成に向け、体力の増進や技術習得ができるよう授業を進めていきます。
本校は室内プールがあります。1年間オールシーズンで水泳の授業ができる環境があり、全学年で水泳の授業をおこなっています。レベル別にコースを設定し練習します。泳げる生徒はより専門的に、泳ぎが苦手な生徒は少しでも泳げるように指導していきます。
中学生は、基礎体力、調整力や敏捷性を養いながら基礎的な運動能力や技術を身に付けます。また、いろいろな種目のルールをしっかり学び考えながら身体を動かすことも学んでいきます。「できなかったことができた」ときの楽しさを感じでもらい、体育を好きになるよう授業を進めていきます。
高校生は中学で身につけた基礎的な知識、技術を生かし、より専門的に授業を進めていきます。球技なら戦術・戦略を自分たちで考え、試合運営も自分たちでできるようになります。水泳は、より高い記録を狙って挑戦していきます。また、保健の授業を通じて、現代社会と健康や生涯を通じる健康について学び、身体に関する知識やトレーニングに関する知識も身につけていきます。
体育行事について〜生涯を通じて楽しめるスポーツを
本校では生涯スポーツを見つける意味で、高校生では体育集中授業をおこなっています。(希望制)
これは、ウィンドサーフィン、スキー、スノーボードの中から1種目選択して、各インストラクターの指導のもとで専門的な技術を学びます。中にはこれをきっかけに、その種目に没頭し卒業後も続けている生徒も少なくありません。また、宿泊を伴う活動をすることによって集団行動や社会性を身につけ、友人や先生と親交を深めることも大変意味深いものです。
3年次より柔道の授業がおこなわれます。柔道の授業は、人を投げたり押さえたりする技を身につけるだけのものではありません。「礼に始まり礼に終わる」という礼節やどんな状況であろうと自分を抑え、相手を思いやる気持ちを育てることにあります。身体の鍛錬はもちろんですが、精神の修養につとめることに重きをおいた授業になっています。初心者がほとんどですが、5年次におこなわれる柔道大会では迫力満点の試合を展開してくれます。
体育行事でなによりも盛り上がるのが6月の体育祭です。上級生を中心とした、体育祭実行委員会が計画・運営をおこないます。生徒たちによる、生徒たちのための行事です。クラス対抗リレーや障害物競走、騎馬戦など多くの種目があります。中学生はクラス対抗、高校生はブロック対抗で行われます。クラス、ブロックごとにまとまり、1年で一番熱い時期と言えるでしょう。